愛機トラックポイントキーボード2ここに眠る たった一週間だけど楽しかったよ

■ いきさつ

国内発売直後に「ThinkPad トラックポイント キーボード II(以下TTPK2)」を発注し、納品されて喜び勇んで使い始めたらわずか一週間でチルトスタンドがへし折れた。千円のジャンクでもこんな簡単に壊れないと思う。
Lenovoサポートに電話で問い合わせた結果、交換品の在庫はなく、チルトスタンドだけの交換・販売もないとのこと。1万6千円のキーボードでその扱いはないだろうと落胆し、その他すべての素晴らしいスペックへの思いを振り払ってメーカー返品を決めた。

■ 使っていて気になったこと

TTPK2がいかに良いものかは既に複数のレポートがあるので、今更本稿では触れない。ただそれらの中で、engadgetの記事が唯一チルトスタンドの強度不足に触れていた。今にして思えば実にフェアだったのだと思う。
japanese.engadget.com

というわけで以下、TTPK2を一週間業務利用した間、のどに引っかかった魚の骨のような、致命的ではないがストレスが蓄積されたポイントを列挙しておく。なおチルトスタンド強度の話は論外とする。

  • Lenovo公式からドライバやマニュアル類を探し出すのが一苦労。製品名や製品IDでLenovoサイト内検索にひっかからないのは酷い。おかげでWeb経由のサポートも受けられず、Lenovoとのやりとりは電話限定になってしまう(2020/6/15時点)
  • 検索のしづらさと関連して「トラックポイント キーボード」と表記される場合と「Trackpoint Keyboard」と表記される場合があって統一されていない。「2」と「II」もしかり。あとどっちにしても文字列として長すぎるのでTTPKと略す方式がメジャーになるといいな
  • トラックポイントユーティリティがロジクールSetPointと競合するらしく、事実上利用できなかった。F12キーは飾りとなった
  • Windowsリモートデスクトップ接続とトラックポイントユーティリティの相性もこなれていないようで、各種拡張設定がうまく機能しないことに始まり、時折打鍵後の反応が著しく遅くなることもあった(ローカルPCとは2.4GHz無線接続)
  • 打鍵後の反応が遅くてイライラしているところに、カーソルキーとPgUp/PgDnキーを同時押ししてしまってストレスが加速
  • 左下端がFnキーで標準的キーボード配列と異なる。しかもそれなりの大きさがあるので、慣れるまでWindowsショートカットにとにかく失敗する。ThinkPad PCと違ってBIOSでどうにかできるわけでもなく、トラックポイントユーティリティが効かないことも多々ある状況なので、FnキーとCtrlキーの場所はキーボード単体で切り替え可能であって欲しい
  • チルトスタンドなしだと掌の置き場にちょっと困ったりする。その点でも必須のチルトスタンドだった
  • 右下端のThinkPadロゴは格好いいが、左上端のLenovoロゴは必要なのか?
  • トラックポイントの操作が物理的にちょっと重めなような気がした(これは単に私が老いただけかもしれない)
  • プレイステーション4や廉価スマホ(SH-01K)、ガラケー(F-01E)とはBluetooth接続できない。非対応呼ばわりされたりする。ガラケーはともかくPS4と無線接続出来たら色々便利そうなのに….。なお専用USBレシーバーを使った2.4GHz無線接続ならPS4で無線キーボードとして使えるが、トラックポイント(というかマウス)が活躍する状況が限られているので宝の持ち腐れになる

…うん、これだけ書いておけば数か月後につい酔った拍子にポチることもなかろう。
ともかく、TTPKユーザの皆様としては常識なのかもしれないが、Thinkpad s30以来、赤色トラックポイントから遠ざかっていた身としてはなかなかに消耗したのは事実である。

■ それから

仕事の都合上、ある程度しっかりしたキーボードが必須に近いのだが、時勢のせいか色々探し回ってもこれという製品に出会えなかった。仕方ないのでこれまで何台か買ってきたFILCOブランドのMajestouch BLACKテンキーレス版を当面のつなぎとすることにした。茶軸が良かったのだが在庫なしとのことで、やむなく赤軸を選んで着荷待ち。まあせっかくなので実業務での使用感を体験してみようと思う。


さよならTTPK2。足が丈夫になったらまた会えるかな。